ちょっくら、ホラを吹く

 


 2000年4月中旬、いつもの様にメンバーに週末の予定を聞くと、皆予定が詰まっているとのこと。 かくいう私も日曜日の午後にヤボ用があった。
しかし、いてもたってもいられず、日曜の早朝に単身、車を走らせ渓に向かった。

歩いてN沢に入ろうとしていたら前方に2人組の釣人が私の目指すN沢の手前まで来ているのが見えた。「あぁ、陽が上がってから歩き始めたんじゃあ遅かったかな?」
と半分諦めつつ歩いていくと、前の2人組はN沢まで行かず、本流で竿を出しているではないか。 私は近寄っていきN沢に入渓の意志がないのを確認した。
15分ほどおしゃべりした後、喜んで入渓し先週の残りミミズを使って約2時間弱の釣りを楽しんだ。

 結果、29.5cmの泣き尺アマゴをはじめ、 29cmのエゾイワナ、25cm前後のアマゴ、 ニッコウイワナ、ヤマトイワナ とごちゃまぜで、計6匹をビクに入れた。
 私は往生際悪く、泣き尺アマゴを平らな砂地に置きメジャーを押し当てて再度、計測したが、やはり29.5cmであった。
いい加減に放流されたのか、何が釣れるか分からず面白い沢であった。 

 AM9:00には帰路につき、ホクホク顔で今来たルートを戻ると、先程の2人がまだ本流で竿を出していた。
案の定、お互いに「どうでした?」と声を掛ける。
私は笑顔を殺し、渋い表情を作って見せ
 「いやぁ、足跡ばっかりで、全然釣りになりませんでした。」
 「この辺も荒れたなぁ」
と、渓流マン特有のホラを吹く。向こうは、
 「やっぱり、この辺じゃダメかぁ」 と本当に何も釣れていない様子だった。
私は短時間での楽しい釣りに満足しつつも、多少の罪悪感を感じその場を後にした。 帰りは温泉に浸かりながら、
 「ゴールデンウイーク頃には、このN沢でじっくり釣ってやろう。」
と意気込んだ。
 

 



    

HOME  MENU