2006.7.29-30
UFC 2006 黒部・平乃小屋
画像提供:UFC釣人
 
 
第3回UFC釣り大会
参加メンバー

【栃木組】
 Funakiさん、ヤマギシさん
【埼玉組】
 大ちゃん、かきさん
【静岡組】
 川虫くん、みっちゃん
【大阪組】
 とみさん、こてつさん
 
 
 登山では幾度か訪れている北アルプスですが、釣り目的では今回が初めて。それでも来るのは10年ぶり位にもなるだろうか。 初めての黒部湖で平の渡しを利用したのももう20年近く前にもなる。 今回は懐かしいだろうか、新鮮だろうか。 第3回UFC渓宴会&釣り大会は黒部湖の湖畔、平乃小屋である。
 
7月29日、夕
 今回も僕は仕事の都合で一足遅れての入渓、夕方の黒部ダムから平乃小屋を目指し、川虫くんとともに二人で歩いていく。 扇沢からトロリーバスに乗り黒部ダム、ダムから水平歩道を歩きロッジくろよん辺りまでは降雨はあるものの観光客気分でホイホイと行く。 湖面を薄っすらとガスが覆い、日光を乱反射しているのか雨天の夕方であっても意外と明るい。
 
 やがて日没。辺りは漆黒の闇に包まれた。 黒部の名称由来のひとつに、森が深く谷が険しい為の“暗黒”の意味があるという。 現在の僕らがまさしくそんな状態。 当然、夜なので黒部に限ったことではないが、初見ルートという不安が僕等の体感暗黒度をさらに増幅させていた。
 
 

 
 

先行組のみなさん
 事前のとみさん情報では昨年・一昨年よりずっと楽なルートということだったが、もうこうなると最も大変な難アプローチとなっていた。 明るく見渡せれば何でもないコースでも、ライトの当たる部分のみに視覚が限定されると非常に困難なルートファインディング。先を見失い目印や踏み跡・鋸跡を探して右往左往したり、急斜面の枝にぶる下がりながらの薮コギをして高巻いたりで、時間と体力を徐々に消耗させていく。 さらには渡っていく沢の向こう岸を探し見て僕等は思わず眼を皿、いや眼が点になってしまった。なんと樹には目印代わりに男性誌が掛けてあるじゃないですか。もちろん誰の所業かは一目瞭然、男性誌はあのエロテロリストの通過を意味していた。降雨のためだろうか、その張り付いたページに僕の足腰はもろくも崩れていった・・・罠だな。

 僕がこの平乃小屋に来たかった理由として、20年まえ登山を始めて最初の夏合宿でここを通過していたこともあったが、何といってもご主人の佐伯さんをテレビで見たからに他ならない。確か清水国明と甲斐崎圭が出演していた番組で、“最後の職漁師、佐伯名人”として紹介されていました。 巷に釣り名人と言われる人は数多くいますが、その多くが趣味または副業であったりメーカー広告的な名人だったりするのです。 釣りを正業の一部、つまり生活の糧に直結した釣りをしているリアル釣師に興味を抱きました。 山岳領域での土着プロとアマの差が雲泥・別格であるように、趣味釣り名人と職漁師とではまったく異質な魅力を感じたのです。
 

 予定時刻よりだいぶ遅れ、やっと憧れの平乃小屋に到着。 玄関は湖面に対しているという僕の勝手な思い込みで、湖側へと回り込むとそこは勝手口(?)。 壁際に沿ってもう少し歩いていくと途端に明るくなり、ガラス一枚を隔てて宴会真っ最中の皆さんと汗ダクで汚い姿での御対面。もう恥ずかしいやら嬉しいやら。 毎年の遅刻、それに宴会準備もしていないのに皆の歓迎を受け、申し訳ない限りである。 山にはよく行くけれど、有人山小屋にはまともに泊まったことがない僕。勝手が分からず右往左往オロオロしながらも玄関前でフルチンになって着替えて、小屋に上がり込んだ。  佐伯さんと友達付き合いしている皆さんのおかげで、新参者の僕もすぐさま楽しい宴に加えさせていただきました。 僕らが小屋に到着するまえには岩魚の捌き方講座も行われたようで、その場に居れなかったのがとても残念でした。 しかし照れ臭そうに首筋を撫でながら話す佐伯さんの仕草はテレビ画面で見たまんまで、珍客の話、動物や岩魚の話、昔のやんちゃ話など、どれも公にはし難いほど貴重な面白い話でした。 そして僕がずっと抱いていた岩魚の生態や扱いについての疑問にも明快に答えてくれました。
 酒宴も午前様になろうかというあたりから各々が三々五々眠りに入っていった。

 
 
7月30日、朝
 押入れのようなチムニー状の棚に身体を捻じ入れて何やら天井裏に首を突っ込んでいる人がいます。朝からクライミング練習でしょうか、Funakiさんでした。
 「あれ、Funakiさん、何してるんですか?」
 「上に何かあるんですか?」寝ぼけ眼で訊ねると、
 「僕の好きな場所・・・」と答えが返ってくると同時に
バサバサバサ! 突然、音をたてて何かが落ちてきました。 本です。ここだけの話、どうやら屋根裏は秘密の図書室になっているようなのです。
 
 朝、明るくなって初めて小屋の外観と周囲の山岳風景が望めました。天気がよく清々しい朝です。 早起き組でドラムカンから灯油タンクへの注入作業を少しばかり手伝いました。日常の町内会の清掃作業などは面倒臭くて仕方ないのですが、山小屋のご主人にアテにされて頼まれるお仕事は素直に嬉しいです。
 
 美味しい朝ご飯を頂きながらの話のなか、昨夜に僕等が歩いてきた道のことで奥様の「あの辺りは熊の巣なのよ」の言葉に今になってゾッとした。
 

家にも欲しい池

この日が梅雨明けでした
 
 
 
 
 朝飯を頂き、お茶を飲み、のんびりと釣り支度をして出発です。 出発といってもここは平乃小屋、裏庭感覚で歩きだせば、たちまち釣場へと到着。 しかしそこは荒々しい北アルプス黒部川の支流、流れは早く冷たく、浅いと思って徒渉すれば脚はビリビリと刺すように冷え痛み、予想以上に水勢に押されてしまいます。 増水後ということなので、まずは湖に注ぎこむ河口で竿を伸ばしてみました。
 
 突然、静かな水面がジョボン!と音をたてた。石が水面を割る音で、湖面には波紋が広がっています。 こんなことする人は・・・と、後ろを振り返りましたが大ちゃんの姿は見えず、かきさんは相変わらずリールを巻いてます。 引き続き流水と濁りの境目あたりの底をミミズ餌を流しているとまたジョボン! ライズした? ライズかなぁ? 跳ねた魚が真っ直ぐに頭から水面へと落ちれば、そんな音がするかも知れません。 これが投石によるものであったら、釣場を荒らしているに過ぎませんし、仮にライズだとしても、ミミズで底を流す方法では釣れないような気がします。 湖釣りの経験が乏しい僕はどうも要領が分からず、いつものような渓流釣場へと遡っていきました。  後日談によると、ジョボン!という音はやっぱり大ちゃんの投石によるものでした。確信犯は後ろの段丘に隠れ潜み投石を繰り返していたそうだ。その結果、悪戯に自分の釣場を荒らした大ちゃんはこの日ボーズに終わったのでした。
 
 
 竿を短く持ち、ときにはラインを直接持って足元近くの岩下に毛鉤を流し込むFunakiさん。 むむっ、こ、これは何度もビデオで見た佐伯名人と同じ釣り方ではないですか! 密かに奥義を身に付けていたのでしょうか・・・
 ただ唯一、佐伯名人との違いはその後に竿がしならない点でした。
 



漂着ドザ衛門

移民船

老人会に紛れ無賃乗車
 平乃小屋のリビングに掛けてあった岩魚の写真は南アルプスのヤマトイワナによく似ていました。ひら岩魚といって、亜種分類でいえばニッコウイワナに属しますが、ここ黒部の天然岩魚だそうです。体側の白斑は極めて薄く、パーマークと背中からの紋様が組み合わさり、その薄い隙間がY字状をなす魚体。体色はその棲息場所の影響を受けるとしても、ややスリムで頭とヒレが大きく見える、本当によく似た魚体でした。普段からヤマトイワナを見慣れた僕の眼からすれば、典型的なニッコウイワナよりもヤマトの方に近いような気さえします。 所詮、人間が強引に線を引いた亜種の区別です。そんなもんでしょう。 こうして遠い昔、魚の陸封の歴史に思いを馳せるのも釣人冥利なのでしょう。

 小屋を出ようかという時、とみさんが背中のザックの水筒袋からホースのような管で口までつながる給水グッズを見せてくれました。僕らは羨ましいものだから、導尿袋だの点滴だの言ってからかいながらの帰路。水分補給するまでもなく爽快なうちにアッという間にダムまで到着してしまいました。

やりたいことが増えて帰っていく
また来るぜ!黒部

 

またお世話になります!平乃小屋
次は佐伯さんのテクニックを盗みにきます!

 
 
同釣行記:06UFCin黒部(大ちゃん) UFC in 平ノ小屋(Funakiさん)
 

 
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