2006.4.9
リリースとキープ みっちゃん
  

 前回の初釣行でアマゴを釣ったので今度は岩魚を釣りたいな。近所の釣友を誘ったがことごとくパスされ、今週末は単身、夜の道を釣場へと向かった。
 このままコンビニ食料で晩飯を独り車内でカッ喰らって寝るだけでは寂しい気がしたので、麓の明かりに吸い込まれるようにして突発衝動的に立ち寄ったロッジ。  久しぶりに会った老夫婦は背がちょっと丸く小さくなったものの健在でした。 挨拶もそこそこに何か簡単に食べられるモノを無心して、残り物というにはあまりにも立派なテンプラ定食を頂いた。椎茸・タケノコ・ふきのとう・行者ニンニクなど地元の旬の食材がとても美味しく、嬉しい限りである。 お礼代わりに爺さんの肩揉みをしながら、釣場情報を訊ねながら、近況報告や世間話に花が咲く。
 「さぁ、そろそろ行くで勘定してくりょう」と言えば、
 「残り物だで金はいいよ」と答える婆さん。
それじゃあ、と新発売の小瓶チルドビールと源流本を置いてきた。

 
 一週間後に筍掘り宴会を控えた今週末の釣りでは、客人への骨酒用に少しばかりの岩魚を持ち帰ってやろうという魂胆である。 ならばという訳で、地元では殺生推奨魚とされているニッコウイワナが標的となった。 身体に白斑のないヤマトイワナが昔から棲息してきたこの沢は数年前にニッコウイワナが放流されて以来、ニッコウ及びその混血種らしき岩魚をよく見かけるようになっていた。いわばこのニッコウ汚染の沢から釣って持ち帰るつもりなのです。

 何度も歩いたことのあるルートですが、これほど残雪の多いのは初めてです。そのせいか沢床へのルートを間違えてしまい、ザイルを垂らして降りた場所は巨岩ゴロゴロで小滝の連なる連瀑帯の真っ只中でした。 ここはいつも遡行が大変なうえに、あまり釣れません。それでもと折角根性で竿を振ってみましたが、やっぱり音信不通です。
 グスグスの雪にハマリながら大高巻きして連瀑帯を抜け出し竿を伸ばせば、きました一匹目。 大サビのように見えますが、ここの沢のヤマトは体色が濃いのでこんなものです。でもやっぱり少しサビてるな。
ヤマトイワナ(上)とニッコウ系のイワナ(下)
   

リリース:キープ=ヤマトイワナ:ニッコウイワナ
 綺麗な魚体です。ニッコウイワナが放流されてから数年経つこの沢、ニッコウ系の尺物が釣れたのはこれが初めてです。 遺伝子レベルのことはまったく分かりませんが、はっきりと白斑があるのにヤマトイワナだという事はありません。 アンタにゃ罪は在りやせんが、死んでもらいます。
 チクショウ!ニッコウなんて放流しやがって、と思いながらも、駆除という大義名分のもとニッコウ岩魚を釣って殺してザックへと仕舞い込むウシシ♪な自分がいる。実にご都合主義で勝手なもんだ。   確かに以前から岩魚を持ち帰るつもりの釣行では重宝している沢ではある。 ふと思う、ここに例え外来放流種であるニッコウイワナが居なかったとしても、やはり同じような行為をしているかも知れないな。 ならば現在のこの沢は殺生しやすい理由のある、都合の良いだけの釣場なのだろうか。
 いや、釣れたすべてをリリースした事もあるし、紅葉狩りで歩きにきただけの事もあった。なにしろ沢上流の明るく快活なアルプス的な雰囲気が好きである。 自問自答を繰り返しながら、ひとり釣り歩く。

ビミョーな奴もいる
  
 今回は張り切って高度を上げすぎての入渓。 やっとで一匹を釣ったあと、雪渓の流れでしたたかに金玉を冷やしてしまいここを退散。 そこで楽々入渓できる下流にまで戻って竿を振ったところ、結果的に効率よく釣れました。最初っからここで釣れば良かったのでしょうが、まーだいたいそんなもんでしょう。
 波立ちの少ないガラスのような水面ではアプローチに気をつかいますが、春特有の純朴な岩魚の捕食行動を観察できてなかなか楽しかったです。
 帰りがけには麓の婆さんから畑で栽培している行者ニンニクを分けて貰ってお土産にしました。毎度毎度、ご馳走様です。 山の人は強くて優しいね。 山は厳しくて優しいけど。
 
 
 

 
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