2006.5.2-4
満点釣行 オオシオさん
川虫くん
寸又渓輔さん
シンヤ
浅川
みっちゃん
 
 
 釣人が6人も集まればただでさえ楽しいこと間違いないのだが、その舞台が街の安居酒屋でも良いけれど、渓流釣場でしかも泊りとなれば、これはもう行くまえから興奮を禁じ得ないでしょう。
 
ゴールデンウイーク’06 釣行メンバー
Mouse On!
オオシオさん
川虫くん
寸又渓輔さん
シンヤ
浅川
みっちゃん


 
 
 仕事の都合上、僕と寸又さんは一日遅れの後発で4人のあとを追った。 奴等に釣り切られていないだろうか、僕らが釣る場所は残っているだろうか、仲間ではあるが侮れない連中だ・・・募る不安が自然と脚に鞭を打った。 先行していた4人は雷雨に見舞われ半日遅れの出発となったようで、幸いにも予定より手前にテントを張って待っていた。 昨朝の雷雨以降、その源流域は手付かずの状態を保ったままであろう。 よーし、行くぞ!
 
 
釣りバカどもよ、流れの如く絶え間なく攀じれ遡れ!
 
札付きのゴロツキ野郎どもは
源流域にまで遡って竿を伸ばします
手付かずの自然を愛するが故の行動です
(だって下流の釣人慣れしたスレた魚は釣れないんだもん)
 
 
 ふと対岸のオオシオさんを見ると、一瞬つまづき岩に手を突いた。 パキン!竿は素晴らしく乾いた音をたてて真っ二つに折れてしまいました。 あっけにとられて見ていると、そこからが素早かったオオシオさん。まるで予定していたのかように冷静沈着、顔色ひとつ変えずにポケットから白い布のような物を取り出し、これを折れた竿尻にあてがってクルクルッと輪ゴムで留め、そして何事も無かったようにまた竿を振り始めたのである。 うーん、渋過ぎる。僕だったら相当立ち直れないゾ。
 このあとすぐに釣った一本目。
 
 

 
釣人達の攻防 
 両岸が壁となった沢幅の狭い廊下状の渓相。先頭で竿を伸ばすシンヤの粘りが渋滞を引き起こしていた。 最後尾から近寄る僕に浅川が声を掛ける。「粘ってもムダだってことを知らせてやれよ」 「おう」  知らせるったって、“言葉で言う”のではなくこの場合は“竿をもって知らしめる”ことを意味する。
 ポイントである緩やかに巻く流れのエグレ、その対岸からを狙うシンヤに対し、僕は下流の流れに立ち込み、同じ流れの岩エグレ深くへとミミズ餌をベタ底で送りこんだ。 いわば後出し竿で、お祭り(釣糸が絡まる)寸前ギリギリでの割り込み投餌です。これは気の知れた仲間だからこそ出来るマナー違反の釣り方なのです。
 皆が注目するなか、水面上で肩を並べるように接近した目印、突然その片方が小刻みに水面下へと引き込まれた。すかさずアワセて竿を立てるシンヤ。 しかし竿先はしなりません...そう僕のほうの仕掛けが引き込まれ、僕の竿が大きく弧を描いたのです。

 先行絶対有利の渓流釣り、同時に同ポイントを狙うことがタブーとされている渓流釣り。 シンヤは苦虫を噛み潰したようなコノヤロー的表情で僕の取り込みを見せ付けられています。なんとも可哀想ですが仕方ありません。 こういうことは単独釣行では出来ない楽しみ方なのでしょう。
 
 

ヤマトイワナも渓の宝石だ
 
 
一気に昇天
 さてシンヤですが、軽く尻に火をつけてやるつもりでしたが、結構落ち込んで意気消沈してしまいました。 「今回はツイてない、もうダメだ」と情けなく弱音を吐いて最後尾をダラダラと釣り上がっています。 皆が竿出しを敬遠して巻いて遡っていった倒木の多い場所で半ばイジけて集中力なく竿を伸ばしているので、僕が先頭へと行くよう促し励ましていると・・・・きました。ドラマは突然に動き出したのです。 軟調気味の竿が普段よりさらに大きく湾曲し、それを持つ大袈裟気味のシンヤも普段よりさらにオーバーアクション! 大物なんだろう。 大物は頭が良いってのは聞いた事があるけど、このとき竿を曲げる主は水中倒木へと一直線に逃げ込もうとしています。 シンヤは、ア゛〜!もうダメだ!切られる!を連呼しています。 ここでやりましたね僕は。電光石火、自分の竿を(そっと)放り投げ。深みに(足から)ダイブ。 (嫌々)腹まで浸かってタモに獲物を取り込みました。
 ふたりでタモを覗き込みウハハ♪ 釣人でないと分からない筆舌に尽し難き歓喜の瞬間とはこの事でしょう。

 
 指先の絆創膏、これがスイッチ。 どうしたの?と訊ねれば果てしない渓語りが始まります。 そんな彼は俗称、“偽畑言う造”と呼ばれている。
 
 

 
 
毛鉤の威力
 ブドウ虫餌一筋の浅川が何度流しても無反応で竿を上げた。その直後、オオシオさんがその同じ流れの表層へとフワッと白毛鉤を入れた。 きましたね。すぐにきました。しかも浅川の眼の前でガツンと大物です。 ガッチリ針掛かりしているかと思いましたが、オオシオさんがラインを手繰る途中、僕のタモ出しが遅くってバラしてしまいました。それにしても足元の浅瀬でのた打ち回る大物は圧巻でした。 それそれオオシオさん。それこそ僕がやってみたかった事なんだ。 もしも僕だったら、このあと自慢げに大笑いしているのだろうが、浅川のなんで?の質問にオオシオさんは「たまたまアノ岩魚が羽虫を食べたかったんじゃないの」とクールに答えていました。さすがです。 “俺のブドウ虫を流して釣れない場所に魚はいない”と公言してはばからない浅川に一泡吹かすことができました。

落葉の下にいまだ雪残る斜面
 
 
 
怒涛の最終章
 

 
 そろそろ竿を納めようかという区間終点をまえにして、本日尺物連発の川虫くんがやってくれました。皆が見守るなか岩のエグレから、とんでもないバケモノ岩魚を大捕物の末に引きずり出しました。 イカいぞ(大きいぞ)、なんだこりゃ、青白いな、気持ち悪ぃ、無斑銀毛化か・・・皆が口々に驚きの表現を投げかけます。 自己釣果記録を大幅に更新し感無量といった表情の川虫くんがその異様に膨れた腹のあたりを軽く持つと腐乱したカエルが2匹でてきました。んがぁ〜。
 そして最後のラストポイントで、渓のファンタジスタがまたもや魅せてくれました。 大きくしなり震える竿に、ア゛〜ッ切れる、うっうわーっ! ヘッピリ腰でのパニック状態もすでに見慣れた光景となり、周りのみんなは慌てる様子もなく笑っていますが、本人は大真面目です。 最後は僕が身を乗り出してタモ入れし、強引にシンヤ劇場の幕を引いてしまいました。 ところが渡したタモのなかを見た本人は一転、「まぁまぁだナ〜」と冷静漂々な口ぶりでニヤリと皆に見得を切り、投げ捨てるようにしてこの35cm程もある岩魚を流れへとリリースしました。慣れとは怖いものですね。
 
 
 
 
 
祭じゃ酒宴じゃ

子供の日をまえに燻煙イワナのぼり

取材拒否の幻包丁人による“自慢のコレ”
 南アルプスの天然水はもちろん、採れたてのタラの芽や釣ったばかりの岩魚もある沢宴。 無計画な食料プランではあったが、浅川のベビーサラミからオオシオさんの岩魚巻きまで手間の有無を問わなければ各人で2〜3品は出しているので全部で15種類程の品数はあったのだろうか。とにかく色んな物をワイワイと美味しく食べました。
 
 気心知れたメンバー6人が揃って、好漁、好天気、酒も飯もバカ美味い。 こんなに全てがすべて素晴らしく上出来な釣行ではむしろ後が怖いくらいだ。 帰りの明日も気を引き締めて行こう・・・そう自分に言い聞かせようとする前に酔い酔いになって、いつしか深い眠りにオチていた。
 夜中に起きると、仰ぎ見る頭上には満天の星空がキラキラ、足元に眼を落とせば自分の小便がキラキラとライトに照らし出されて華麗に輝いている。 いいね沢は。ブルルッ、、、さてもう少しだけ夢の続きを見ましょうか。
 
 
 

さぁ、オマエはもう自由だ
俺達は不自由な街へ降りていくから

 
 
オオシオさんの同釣行記  寸又さんの同釣行記
 

 
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