〜THE END〜

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 シンヤは超尺級に大袈裟な取り込みアクションで、上げてみれば8寸の綺麗な夏アマゴを釣り。 一方、僕は毛鉤を換えたせいか、はたまた渓に陽がさしてきた為かようやく毛鉤に反応がでてきたが、要はアワセ下手なんだろうね、幾つかのバラしとアワセ切れのみ。またまたテンカラボーズに終わってしまった。 これが単独釣行だと精神的ダメージが甚大であるが、こうして皆で釣り遊んでいれば実に爽快で楽しい週末なのであった。

ヘロヘロでB2突破!
賞味期限

2005.6.12 くもり
シンヤ 浅川 みっちゃん
 さぁ、喰おうかという時になって、浅川の置き竿が反応して本日初物となるチビアマゴが上がった。
イヒヒヒ〜♪ きれいだよなぁ〜
 読みも釣技もない置き竿釣法。
俺等らしくってイイじゃないか。
所詮これが実力なのである。
そしてこの釣果でもはしゃいで楽しい。
これこそが真の“楽しむ実力”なのら。
これイイよ♪
  たまらん美味ゃ〜
実力
 
 釣場は明らかな渇水、それに加えてきれいな足跡が所々に残っていた。 こんな悪条件の時こそ釣人の真の腕前が問われるのだろう。 シンヤと浅川はブドウ虫での餌釣り、僕は黒毛鉤のテンカラで釣り上がっていく。
 
 実力通り僕等は釣れない遡行をし、ブランチって言うんだろうか朝飯を兼ねた早めの昼飯を食べることにした。
 昨夜の残りのモヤシを入れた冷凍食品チャーハンとおにぎり、そしてビールを少々ずつ回し飲む。 昔は高価だったテフロン加工のフライパンだが、現在ではスーパーにて400円程度で売っているので便利。 油だって食肉売り場の無料ラードを頂いてくるのである。
賞味期限
 
 釣場を目指して久しぶりの杣道を歩く。 以前は僕等ぐらいしか通らなかった荒廃した杣道であったが、ここ数年は何組かの釣人が利用しているようで、所々に目印なんかが付けられていて明瞭なノーマルルートとなりつつある。
 利用価値のある杣道ならば尚更であるが、こうして僕等が足跡を付けて歩いているのだから、それを辿られ次第にルートが明確になっていくのは当然のことだろう。と、同時に近年、このルート利用の区間は釣場としての資質を落としてきているようにも思える。 魚影の減少とゴミの増加が目立つのだ。
 そろそろこの釣場は賞味期限切れか...。 諸悪の根源は僕等なのだろうか。
 
 そんな事を考えながら歩いていると、いつの間にか僕等は新鮮な足跡を辿っていた。 ふと先を見ると、さほど汚れていない菓子パンの袋が落ちている。これを拾ってみると、“賞味期限 05.6.12”の表記。傷みやすいクリームパンのその袋には本日付の賞味期限表記・・・やはり。 昨日か一昨日には入渓者アリという訳である。 引き返して釣場区間の変更も考えたが、早朝の重い身体がそれを頑なに拒んでいた。
全身で苔チムニーを攀じる

 
 毎度の如く酒盛りのあとは林道上に張ったテントにて就寝。
 ブウーン、ブルルルルーーー!
 寝静まった深夜に突然、轟音とともに辺りが明るくなる。 どうやら複数のバイクにこのテントが囲まれているようだ。
おいおい、こんな山奥に族か?まさか、オヤジ狩りかよ。ヤラれちまうのか。
 恐怖のなかすぐにでも逃げ出せるようにシュラフ(寝袋)のファスナーを開け、横になったままジッと様子を窺う・・・
 
 テントの天井は明るくなり、外では小鳥のさえずりが聞こえていた。夢だったのか...。 寝ぼけ眼を擦りつつテントを出て、用を足していると辺りの地面にはバイクのタイヤ痕が無数に刻まれている。夢じゃなかったんだ。 シンヤにこのことを報告すると 「そうだ俺がウルセーナと言ってやった」と、いかにも族を恫喝し追っ払ったかのような言い草であったが、たぶん震える声で寝言のように呟いた程度であったのだろう。
 この日、梅雨前線が太平洋沿岸近くにあり静岡県の志太平野は午後から雨。 夕方、家を出発するときには雨粒が車のフロントガラスを強く叩いていた。
 川沿いの道を上流へと北上し、林道の車停めに着く頃にはすでに雨は止んでいた。と、いうより雨が多く降ったような痕跡は見当たらなかった。前線から離れた山間部ではさほどの降水量はなかったのだろう。