2004 釣行記 

多い罠

 2004.7.30−8.1/雨のち曇り  なべちゃん 寸又渓輔さん 浅川 みっちゃん  



 “雨男”なんて非科学的と思うかも知れないが、彼が釣りにくるとかなりの高確率で雨が降る。最初はただの偶然だと高をくくっていたが、今シーズンも続く有り余る実績がこの事実を力強く裏打ちしていた。 そう、その雨男こそ“ナベちゃん”。この人である。 今年の実績としては、天気予報の曇り時々晴れ、そして降水確率20%をも見事に覆して雨を降らせていた。さらにはこちら静岡に来ると電話連絡を受けた直後から天候が急変したなんて事すらあったのだ。
 本人曰く「3Bさんと鉄砲水に遭ってからなんだよなー」「感染したかな」とのこと。 今では私達の間で、雨男は西の横綱=ナベちゃん、東の横綱=3Bさんというのが定説となっている。両者とも飲んで良し釣って良しで、打てば心地良く響くような好人物ではあるが、いざ動き出せばその上空を雨雲が付いて来るような札付きの雨男なのである。
 そんな西の雨男、ナベちゃんは今年は3度目の静岡訪問。 3度目の正直とか、あるいは3年目の浮気とか言うんだろうか(言わないか)前2回とも予想外の大雨に祟られただけに当人も臆するものがあったのか、ナベちゃんからは控えめな「行っても良いのかなぁ?」「多い罠(大岩魚)釣りたいよ」との半疑問形の問いかけメール。

だが今になって思えば、こちらが「どうぞ!どうぞ!」と答える前にはもう台風10号が発生していたので、きっと最初から来るつもりでいたのだろう。
 台風10号は酔っているかのように千鳥足でヨタヨタゆっくりと北上。伊豆諸島沖合い辺りからはナント!東から西へと移動し始めた。これが所謂“ナベちゃん台風”・・・ってウソ、ウソ。
 
 

酒場からでると雨
明日からの釣行が不安
 金曜夜の駅でナベちゃんを待ちうけて、駅前の生ビールへと直行。一週間の仕事後の乾いた喉に冷たい生がしみ渡る。 ほろ酔い気分になってきた頃、今回釣行メンバーの寸又さんと浅川が合流しミーティング開始。
「台風の影響次第だな」「明日朝の情報で判断しよう」
「うんうん」
てな訳でほんの数秒で会議終了。
あとは取るに足らないバカ話に花が咲いた。 今夜は居酒屋からラーメン店への定番コースで素直に帰宅した。

 明けて土曜は昼からの出発。 大井川下流の扇状地である我が街、志太平野から遠く山側を見渡せば、朝からどんよりと低く黒い雲。天気予報も下り坂である。 雨でもなんでも私は歩く気マンマンであるが、すでに浅川はサッカー日本代表のTV観戦、ナベちゃんはカツオの刺身へと心が移行しつつあるようだ。 本当の自由とは悩ましく苦しいもので、迷いに迷って今夜の宿は大井川中流にある知人のログハウスに決定。 己の魂の叫びに耳を傾けつつ冷静に判断したつもりではあるが、源流マンとしてはどうも堕落してきた気もしないでもない。
 「慌てない慌てない」「果報は寝て待て」「大器晩成」などと言い訳にも似たセリフを吐きながら、刺身、寿司、惣菜、さらには追加酒の調達へと走った。


ありえねぇ〜よ
 下界より少し涼しい麓のログハウスにて、昼下がりからプシュ...冷えた缶ビールのプルタブを開けた。
 夜はテレビで日本代表のサッカー観戦しながらカツオを頬張り、画面に向かって好き放題に文句を言う。そんななか時折、屋根を強く叩く雨音が“やっぱりこれで良かった”と思わせてくれる。ビショ濡れで狭いツェルトのなかで一夜を過ごすことを思えば、この状況はまさにパラダイスである。
 
 私が酔ってうたた寝をしていると何やらウルサイ声がする。 「ありえない、ありえねーよ!」 東から西に進む台風の事かと思ったが、どうやらサッカーの展開が“有り得ない”ようである。浅川はしきりに画面に向かってセルジオの如く試合を酷評しているが、もちろん誰も聞いてはいない。 浅川のボヤきを子守唄代わりに、私は急速に眠りへと落ちていった。

 早朝、窓から見る空はゆっくりと明るさを増してはきたものの小雨模様。 けだるい朝を迎えたが、このまま二度寝してしまっては本当にダメ釣人になってしまいそうで怖い。昨夜は“明日こそ絶対に歩く”の誓いをたてていたので、とりあえず皆が素直に起きて出発した。
 入渓する沢をあれこれ迷いつつも車停めに着くと、そこにはすでに一台の車両。先行者だ。 しかしこの沢は深く、幾つかの釣り区間を有するので、我々は先行者と釣り区間が重ならないことを祈りつつ歩いていった。 が!、川床に降り立ってみれば新鮮な足跡と、タオル・シャツ・餌の空箱・コンビニ袋が散乱している。いわゆるゴミだ。 私達はこれを回収し、空箱の湿り具合やオニギリの包み紙の日付を確認して、刑事コロンボのように推理...するまでもなく、同区間にて先行者の後塵を拝したことは明白だった。 それでも竿を振りながら上流・下流・枝沢へと歩いていくが、全く反応の無い目印、そして無造作に捨てられた先行者のゴミと足跡が私達から釣欲を削いでいった。
 VIDEO山ヒルにキンカン
 
気持ち良いほどに、男4人揃って総ボーズ!
 「散歩だよな、散歩」「そうそう、イイ運動だ」
互いに励ましあいヒルだらけの山道を汗ダクになって登って帰り、新しくできた千頭温泉『旬』にて気持ちよく入浴した。
風呂上りの冷えた一杯はやっぱり美味かった〜♪
釣人4人集まれば、釣れずとも楽しいものだ。

 やるときはヤルんです

ドバを流す繊細な竿さばき

アブよ、なんでココなの?

「俺が雨降らしたんだ、許してくれー」
そう言って土下座するナベちゃん
↑ウソだよ〜ん
 
 

 悲観主義は気分に属し、楽観主義は意志に属する。成り行きに任せる人間は皆ふさぎ込んでいるものだ。  アラン(仏)

 
フランスのアラン?誰だよ アラン・ドロンか?
とにかく次は釣るゾ!
 
 

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