2003 釣行記 

脂肪遊戯  

 2003.3.30.  シンヤ 浅川 みっちゃん   


1st Floor.
 禁漁期を含め半年間の沈黙。いや、ぐうたら生活・道楽三昧を経て奴が渓流に戻ってきた。その間に禁煙生活と肉体改造に見事成功し、奴の肉体は見事にビルド・アップされていた。そう何よりも“体脂肪率34%”という驚異の数字が如実にその成果を表していたのであった。 
本人も切実に考えているらしく
 「とにかく山に行きたい」「でも歩きは軽めに」との誘い。
ならば釣果のアテはないが、まずは出掛けてみようかと前日の晩飯後に集合。
目的地を決めないまま、とりあえずビール・焼酎・日本酒を買い込み、まずは車で大井川を上流へと向かう。
 車内での相変わらずの他愛の無いバカ話の合間に
 「おい、ところで何処へ行く?」 「簡単な歩きで釣れるトコはないのか?」
喧喧諤諤の協議を重ねて、釣果は期待できないが足慣らしに丁度良くて途中撤退し易いX沢下流域への入渓を決め、釣行計画書替わりに自宅に入渓点を電話連絡をした。
 車停めでは恒例の焚き火を囲んでの宴会ののち眠りについた。

2nd Floor.
 夢か、、、寝ているとテントが明るく照らされ、焚き火の不始末か?と慌ててテントから頭を出すと車のライトがこちらを照らしている。光のほうから「釣り上がりかね」
「下らせてもらってええかね?」・・・
 その後はよく覚えていない。
朝、尿意を催しテントを出るともう1台の車が停まっていたので、とにかく現実だったのであろう。 そこには爽やかな表情のオジさんが一人立っていた。
こちらは浮腫んだ二日酔い顔で冴えない挨拶を交わす。
この人なつっこい笑顔のオジさんと情報交換を兼ねた楽しい会話をしていると、ようやくシンヤがモゾモゾと起きてきて第一声。
 「ま〜た、オマエに騙された!」「クソ寒いじゃないか!」
“脂肪”というシュラフ(寝袋)を身にまとっていても夏用シュラフではさすがに寒かったようだ。 「なんだ、太っても寒がりかよ」と私は罵声を浴びせかけ、それを聞いていたオジさん釣師の失笑を買っていた。
 私達はモタモタと支度をしていたのでオジさん釣師に先に沢へ降りるように促したが、丁寧にも一緒に同行入渓してくれ、河原に到着後には上流と下流へと別れて行った。
 天気は良いが、二日酔いと寝不足で体調は宜しくない。健康的なのか不健全なのか分からんが、精神的ストレスがないことは確かなようである。
川床に到着してからはその流れによって精気を取り戻したかのように竿を振っていった。
 まずは私の竿がアタリを捕えた。チキチキ!
元気なチビアマゴの引きが嬉しい。
 「おーい、ミノーが釣れたぞー!」
2年目のアマゴだろうが、あまりに小さく、そしてあまりに綺麗である。自然と笑みがこぼれた。
 続いて浅川が23cm程のややサビの残るアマゴを釣り上げた。これを今季まだ釣りに行っていない吉田に花見バーベQで食わせてやろう、と今季初キープでお持ち帰りとした。
 まずは幸先良く釣れ、あとは今回主役のシンヤが釣る番である。 シンヤの根掛り処理を待っては先行させ遡行していくが、竿を振るシンヤの足元から後ろの浅川が獲物を釣り上げてしまう・・・。そしてこの後、ピタリと魚信が止んだ。
 冷たい水に胸まで浸かりそうな淵まで釣っての午前9時前、置き竿をしながら飯を食って納竿。
どん兵衛(濃口・関東風)が冷えた体を美味しく暖めてくれた。 

3rd Floor.
 
・・・ってことは結局、奴ぁボーズか?
んまぁ、いいじゃないか。楽しんだんだから...。
“体力なくして釣果なし、釣果なくても祝杯あり”
「今回は最盛期に向けての体力づくりだからな」
と、貧釣果に対する言い訳をこじつけつつ帰路についた。 そして沢から車停めまで、今回釣行のメイン(?)となる体脂肪燃焼系の山登りとなる。
今までに数々のドラマを生んだ屈指の急登路だ。
 ジグザクの杣道を登るとすぐに脚の筋肉が張ってくる。動き始めが辛いのだ。 幾らか登るとやはりシンヤが遅れてきた。 「おーい、糞!」少しでも身を軽くしようとしてか突然、野糞をしだすシンヤ。
もちろん私達は待っていてやるが、ただ黙って待っている訳ではない。 「落ちるなよ〜」「出たかー」「ちゃんと拭けよ」 大声で安否を確認してやったので、本人は落ち着いて踏ん張れなかったことであろう。 この後も後方を遅れて喘ぎ喘ぎ付いてきて、車に到着する頃にはすっかり『Booちゃん』と呼ばれていたシンヤであった。  =完=
 

 

 
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