2003 釣行記 

ガイド失格。

 2003.9.6〜7. まっちゃん 山ちゃん 川虫くん シンヤ 浅川 みっちゃん



 8月に行こうとしていた釣りが台風10号により延期となり改めて
今回、東京からまっちゃんと山ちゃんを迎えての釣行となった。
 台風10号で沢が爆流となり計画変更を余儀なくされたその日、シンヤと私は東京に行って彼等の大接待を受けているだけに【参照】 、
ここで受けた恩義を返さねばなるまい。
よって今回、私達バカなが隊が総力を挙げて南アルプスの釣場を案内することになったのだ。
 野望は全員揃って尺物を釣ること。もちろん狙いはその先にある歓喜の共有である。尺物を釣るというのが最終目標ではなく、結局は釣りという手段のもと皆で楽しみ喜び合いたいのである。


 今回、浅川の案内で先行隊がすでに前夜出発で釣場に向かっていて、山ちゃんと私は仕事の都合上遅れて土曜の午後からの入渓で歩き、テント場での合流を目指した。ジリジリと熱く眩しい斜陽のなか台風の影響で所々大きく渓相の変わった河原を歩いていった。
 この日の夕方、私達がテント場に到着する頃には釣り終えた先行隊が機嫌よく祝杯でも上げていると思った。 ところがテント場に着いても荷物はあるが誰もいない。どうせ釣欲の権化となっていて納竿が遅れているのだろう。 そう思い二人でビールを一杯やりながらタープを張る。 山ちゃんはわずかな時間の夕間詰め釣りを楽しもうと、タープを張ったそのすぐ脇から竿を伸ばす...と、すぐに弾んだ声がした。すぐ釣れた。新調した竿の第一投目で岩魚が釣れたのだ。
 クックックッ♪「奴等、釣れ過ぎて遅くなっているんじゃないか〜」そう言って笑った。
 
 しかし辺りが薄暗くなっても奴等は戻って来ず、不安のなか日没を迎えた。まさかと思いそれぞれのザックを探ると見事にヘッドライトが出てきた・・・なんと、ヘッドライトを持たずに行ったのである。
 『ライト持ったか』 『動けなくなったら遭難だぞ』 山の先輩から引き継いで、私がよく言うセリフである。 私は必ず日帰りでも朝まづめであっても、ライトと食料は持参するようにしていて、それを仲間にも勧めている。それなのに・・・
 事故って動けないのか?それならば誰かが伝言に来る筈である。ただなんとなく時間が経過し遅くなってしまったのか? とにかくこの暗さのなかライト無しでは動けないだろう。
私は思いつくままにヘッドライトやビバークに必要な物をザックに詰めていた、、、そのとき支尾根から声がした。奴等だ! 二次遭難を考えて山ちゃんにはテント場に残ってもらい、私はいくつかのヘッドライトを持って暗い斜面に取り付き登り、川床から離れ高度を上げていった。 声の方向を頼りに登っていくと、奴等は尾根の稜線上ではあるがルートから少し外れた位置に自力帰還不能状態でいた。定義では“遭難”である。
“反省しているだろうから怒るのはよそう”近づきながら私は心に決めていた。
 
 先行隊に合流すると無事に五体満足で4人揃っていてホッとする。 持ってきたヘッドライトをそれぞれに渡すが、シンヤにライトを渡すと「俺のライトは電池切れで点かないよ」という。電池切れのライトを持って入渓していたのか・・・つくづく呆れてしまう。
 よくよく遅れた理由を聞くと、ただ単に釣りに夢中になって遅れたらしい。
そんなに釣れたのか? いや、あまりに釣れなくって粘って納竿が遅れた。
で、釣果は? 「俺が尺を一匹釣っただけだ」と嬉しそうに言う浅川。
「なーんで案内役が釣ってんだよー!」「アホだ最低だ!」
 私が想像するに、案内した浅川が自分だけ釣ったものだからその状態で「さぁ、帰ろう」とは言い難いまま時間が経過してしまったのであろう。
無事を確認できて安心した反面、報告を聞くほどにアホ臭くなりつい罵倒してしまう。
 かくいう私も今登ってきたばかりのルートを見失い、帰路の軌道修正に手間取っていた。
まったく...バカなが隊員3人とも揃いも揃ってガイド失格である。

 暗黒の尾根から抜け出して、一同が腹ペコ飯バテで無事6人全員がテント場に揃い踏み。ようやく乾杯し遅い晩飯となった。
 山ちゃん自らが少しショッパイと評したマカロニ料理は私達がビールをやりながら食べるのには丁度良くって美味かった〜♪
 ヘロヘロで到着したまっちゃんはバタリと倒れ込み、うわ言のように「コーラ、コーラ・・・」と力なくつぶやく。そんな物がこの山奥に、、、と思ったが、あるじゃないか!流れ際の保冷槽に大量のビールに紛れて缶コーラがあるじゃないか!なんと、コーラを担いで来ていたのだ。相変わらずのアンチ軽量化ぶりである。
 私は寿司を握ろうと岩魚を切り身にしたが新品のナイフがあまりに切れないので切り身がチギレ身のようになっしまい、途中挫折して岩魚をヅケ丼にしてしまった...そんなこんなで夜は更けた。


よく飲み食いして野糞なしでも
なぜか痩せている川虫くん

今回の酒宴でも山ちゃんに
落とされてしまったシンヤ

重い朝・・・

まめな料理人まっちゃん

 川虫くんと山ちゃんが午前3:30頃まで飲んでいたその朝、爆睡している山ちゃんにそっと声を掛け、源流釣行を誘うと迷わず「行きます!」との答え。
それでなくっちゃ!
 「俺も行くぞ!」意外な男が声を上げた。シンヤである。
昨日はかなり足を使ったので今日は御気楽釣りか、と思いきや燃える釣魂は健在であった。 それもそのはず、シンヤ&浅川のこの2人が組むと高確率で“釣れない”のである。今日はこの2人が組まない方が良いだろう。
 てな訳でこの日、山ちゃん・シンヤ・私が尾根を越えての源流釣行へ向かい、まっちゃん・川虫くん・浅川は近くの支流へと入った。

SCENE−1
 昨日釣った区間のその上流まで歩いてから竿を振る。
釣堀のような淵のその中心はガラスの如き水面だ。山ちゃんとシンヤは遠巻きに近づき、岩陰からそっと竿を伸ばす。 まずは山ちゃんの竿がアタリを捕らえたが、早アワセと同時に針が抜け獲物をバラして(逃がして)しまった。
 この後、これに近い場所でシンヤのクネクネ調子の竿が大きくしなってのオーバーアクション。大袈裟に騒いで取り込んだ。
獲物は美しい尺物で、思わず「尺横取りだ!」と囃し立てる。
実際にそれが山ちゃんがバラした岩魚であったかは定かではないが、“横取りだ”って言ったほうが面白可笑しいからそれでイイのだ。


SCENE−2
 そろそろ竿を納めようかという時刻。岩陰から伸びる山ちゃんの竿が大きくしなる。 「おおっ、ええ型だ!尺物だ!」そう言って私はその下流へと回り込み、“俺に任せろ”とばかりに身構えた。が、タモは無い。 タモをテント場に忘れてきたので手掴みで取り込もうとする。頭上の岩場から山ちゃんが獲物をこちらに誘導してくれるので、私はこれを掴みにかかるが魚体がヌルヌルとして、まるでドジョウすくいの安来節のようにお手玉状態。こいつをバシャと流れに落とし、同時に奴は私の股間をすり抜けた。
あ゛っ!トンネルだ。 と、同時に私の股間を支点にして糸は切れた・・・。
 こうして山ちゃんの尺釣果の足を引っ張った私達。まったくもってガイド失格である。


 つたない同行ガイドではあったものの、山ちゃんは短い時間で8寸、9寸と釣れる岩魚に楽しんでいた。 行く程に釣れそうな好渓相となってきたが、帰りの長い行程を考えると名残惜しいがここで納竿してテント場へと戻る。
 
卑劣な犯行
 この暑い日、シンヤは鮎タイツ(正確にはアンダータイツ)で遡行していて、それがまた幼稚園のお遊戯会での園児のようであるが、この男だからこそ見事に似合っていた。
 そして帰路となる沢下りでのこと。 先頭を歩いていた私は後ろに気配が無いことに気付き振り返った。 そして見た光景は、シンヤが流れに股まで浸かり激しく腰を振っているではないか。そして傍で笑う山ちゃん・・・・ やられた! 不精にも奴はタイツを履いたまま水中放尿していたようなのだ。腰を振っているのは事後のすすぎ洗浄に他ならない。 下流には私、そのまた下流にはテント場がある。 バカヤロー!そう叫ぶと奴はニヤリと笑った。
 『釣師の風上におけない』と言うんだろうが奴は『上流におけない卑劣な釣師』なのだ。
 “取ったヒルを人に投げる” “顔を洗っている上流で小便をする”
“足の踏み場に糞をする”
 など以前から目に余る卑劣な犯行を重ねるこの男。
近いうちに弾劾せねばならないだろう。
 
 
 暖かくも微風が心地良いお昼のテント場では支流に入ってきた3人がマッタ〜リと日向ぼっこをしていて、ここで昼飯。川虫くんが釣りたて作りたての岩魚汁を用意してくれていてご馳走になった。 そして沢の流れにさらされた冷えたビールがまた美味いっ! みんな各々が帰りの荷物を少しでも軽くしようとして残りの食料を次々と料理しては喰らい談笑し、そしてまた飲んだ。
 
 毎回、だいたいが軽量化とは無縁の過剰飲食料で、とてもスマートとは言えない源流遡行だ。 この怠惰なテント場の光景を沢屋さん(沢登り人)が見たら、驚き、呆れ、そして羨ましがることだろう。
 源流という非日常に日常生活を引きずって来ているのか? それとも源流らしい生活に反抗しているのか? いやポリシーなど無い、ただ単にたらふく楽しみたいだけだ。
 “山では山のものを食う”それもイイじゃないか。
でも山で海のもの街のものを食っても、風流ではないけれど美味いモノは美味い!
過去に毛蟹や寿司桶・鉄鍋をも持ち込み、コーラも一升瓶もスイカも持ち込んだ。
 アウトドア関連の各メーカーが軽量化商品を開発するなか私達は体重も荷物も重量化の一途を辿る・・・それはまるで軽量化に凌ぎを削る携帯電話メーカーの技術マンを前に携帯ストラップやアクセサリーやらを重そうにジャラつかさせるコギャルのようでもある。
近年の道具類は軽く丈夫に快適に年々進化している。このビール1本分の重さを道具類で軽量化するのに果たしてどれだけの期間と労力を要したのであろうか。
ああ、それなのに俺たちは俺たちは・・・。
 釣ったこの岩魚だってもともとは先人の運び上げた岩魚の子孫かも知れない、、、
昔のことだ、その先人の苦労といったら計り知れないものがある。
本当にみなさんのおかげで、このように楽しませてもらってるって訳だ。


昼下がりの大宴会
ええーんかい!?

力道山か、ラッシャー木村か
マイクパフォーマンスは任せとけ!
(なぜか石田純一のように羽織る)


川虫くんの岩魚汁
美味かった〜♪

「俺についてこい!」
先頭を行く頼もしいまっちゃん
 
    

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