STAR
BORS

THANKS:Atnet Japan!

  
2002年7月21日   シンヤ・私  
  
“スタープレーヤー”という言葉がある。
スポーツなどの人気選手のことを言うようだ。
そして、もうひとつ
“ボーズ”という言葉がある。
無論、釣りの世界では1尾も釣れなかった事を
意味するのだが、恐らくその語源は殺生をしない
ことで“お坊さん”から由来しているのであろう。

 
 
もう、皆様お気づきであろう。
そう今回は釣れなかった・・・
竿を振ることさえままならなかった。
釣りをしているシーンも無ければ
魚体写真も無いのだ・・・
そんな釣行記でよろしければ、
どうぞ御覧下さい。

 
 
 
 前夜、星空の下で蛍が舞う幻想的な景色のなかで私とシンヤは車停めで一杯飲み、車内にて眠りについた。
翌朝、この前の台風ですっかり荒れた林道を2人で歩き始めると、1人の釣人が後ろから来ていた。
同じ沢への入渓だが目的の釣場が違うため、下流域での朝釣りを急ぐこの釣人に先を譲り私達は上流域を目指した。
 平河原を上流へと遡行して行くと、先程の釣人が竿を振っている。 改めてその姿を見れば、私達バカなが隊以上の省エネルックである。
背負うのは紐付きの布製巾着袋。 足元はジャージに綿靴下をテープで固めている。ベストのポケットに見え隠れしている餌箱はキムチの空箱の再利用である。
 
 その姿に親しみを持って話し掛けてみると、初対面のこの釣人はかねてから名人Sさんに聞いていた噂のA釣師であった。 もともと近所同士という事もあり、名人Sさんを介して私達とこのA釣師との距離はグッと縮まり、釣場や杣道を教えてもらったり、ここではとても記述できないようなダークサイドな裏情報まで聞かせてもらった。
 色々な話題を掻い摘んで会話をしたつもりだったが、濁流を前にして1時間程も立ち話をしていた。これはこれで大きな情報の収穫でもあり、渓流釣り仲間との楽しい交流であった。まだお互いに話足りないが、A釣師とは地元での再会を約束してここで別れた。

弁当ヤケ喰いのシンヤ
先行者のテント場前にて
 
 私達は河原と杣道を歩いて釣場と決めていた水域に到達した。
が一瞬、自らの眼を疑った。 ここから竿を出して行こうとしていたその場所にはなんと2張の天幕。 すでに釣りに出掛けているのか、5名分のザックが残るのみ。 「連休の最終日だから仕方ないかぁ」とは言ってみるものの、やはりガックリ。 相談をして、源流域へと続く杣道を探して山腹を歩き回ったが、見つからず撤退した。  途中の枝沢で、昨年ここで会ったオジさん2人組釣人と偶然に再会して会話を交わした。 戻って来た先程の先行者のテント場では釣りを終えた主が獲物を処理していて、ここでもまたまたオシャベリをして、釣りに来たんだか話をしに来たんだか・・・。 結局、私達は自分達が歩いてきた河原を釣り下ることにした。 ようやく竿を振るも、ほとんど平川の流れからはアタリすらも無く、尚も下って行くとすぐにゴルジュ帯。 水量の多いこの日はそこはもう激流の廊下となっていた。 仕方なくここは竿を仕舞って、ヒルの蔓延る山腹へと逃げての大高巻き。 川床に降り立っても、ハンマーを投げたり、スクラムを組んでの徒渉の連続で竿を振るどころではなかった。  この日は私達を含め少なくとも5組10人の釣人がこの沢にいた事になる。
 
 私達はというと、竿を振っている時間よりもオシャベリをしている方が長く、ボーズ(無釣果)に終わった。
 シンヤは悲しみと羨望、そのやり切れない気持ちから心に暗黒面(ダークサイド)を抱き、帰路の途中で水源のダム湖へと繋がるその流れに糞をタレ流した。  彼曰く 「刀削麺のように落ちては流れた・・・」 
唯一の希望の光は、彼が自身の尻を拭いたその紙をキチンと焼却していた事である。 
 この下流での濁った流れを、どうにもこうにも浮かない気分で徒渉をして帰った2人であった。
 
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