激釣!擬似大物師

 2002年4月14日  シンヤ・浅川・私  

 
 今シーズンになって初めてシンヤ・浅川・私のバカなが隊三人で大井川支流に入渓した。 前日、土曜の夜に車停め地点にキャンプをはり、焚火を囲んでいつものバカッ話をしながら飲むとアッという間に夜は更けていく。下界の日中はもう暑いくらいなのだが山の夜はまだまだ寒い。いびきコンビの浅川とシンヤをテントに隔離して、私はあるだけの服を着込んで酔って車内のシュラフ(寝袋)に潜り込んだが、あまりの寒さにブルブルと震えて何度も眼が覚めた 外は明るくなってきたが、まだまだ酔いが残り寝不足である。仕方がなく起きて身支度をし始めると、シンヤと浅川もムクムクとテントから出てきた。
「クソ寒いなぁ〜、眠れなかったよ」
「このまま温泉寄って帰っちまおうか」 「それでもエエなぁ〜」
ラーメンの食後に歯を磨く浅川

気だるい雰囲気のなか、それでもバカなが(ウエーダー)を履き、竿をザックに入れた。 寝惚け眼でヨロヨロと杣道を時間をかけて下っていき川床に到着。 待望の流れは完全な渇水状態。それを見た浅川は、
 「トリプル坊主だ!」 つまり“三人共無釣果”と、早くも大胆予告をした。
実際、浅川の予告通り魚信は極めて少なく、釣れない遡行が続いた。
それでも悲壮感はなく春の渓流歩きを満喫し、途中で焚火をして持ってきた冷凍食品のラーメンを作ってはハフハフと三人で回し食いをした。
冷たい流れの遡行と根掛かりの回収によって冷えた手足。


具のない素ラーメンではあるが、冷えた体が温まって実に美味かった。 今回もシンヤは相変わらずクネクネと妖しげな腰つきの竿にグンター0.4釣糸をささくれても付けている。
 「だから大物をバラすんだ」と私が言った矢先であった。
シンヤの竿が魚信を捕えた。 「きたーっ!」あわせた竿は大きくしなりブルブルと震え、シンヤは蟹股で構えたまま顔を紅潮させ歯を食いしばっている。 「ん〜っ」唸るシンヤ!見ているこちらが手に汗握るその姿!そして大物を予感させるその動作! しかしこの緊迫した力の入るシーンは水面に視線を移さなければ・・・の話である。私と浅川は水面を見て唖然とした!そこにはチョコマカと動き回る極小の魚影が・・・ あのコシのない竿とボロ糸、そして大袈裟なシンヤが織りなすドラマである。 シンヤはこの獲物を引き抜くことなく丁寧に岸に寄せて取り込んだ。

手の平サイズのチビアマゴだ。「うわっ、ちいせぇ〜」 そしてそこには激釣に勝利した者だけが見せる満面の笑みがあった・・・。 しかし私と浅川はまだ1匹も釣っていないのである。小さくも本日の初物を釣ったシンヤを馬鹿に出来ないのである。 この後は極稀にアタリがあるのみで全く釣れない時間が続いた。そんななか、またもやシンヤがあのオーバーアクションの取り込みパフォーマンスを見せてくれ、今度は20cmアマゴを釣った。だが釣果はここまで。 結果はシンヤが2匹釣ったのみで、私と浅川はボーズ(無釣果)に終わった。 帰りは今朝の寒さが嘘のようなクソ暑いなか、バカながで急登の杣道をあえぎあえぎ登り、汗だく汁だくで車に辿り着いた。 しかし今回は釣れなかったなぁ〜。 まぁ、こんなこともあるさ。 終 “落ちろコール”のなか・・・

 
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