あまごの誘惑

 2002年3月17日  川虫くん・私  

 
日曜日は朝から独りで岩魚釣りにでも行こうかと思いながら、前日の晩は浅川一家と晩飯をともにしていた。
そんな時、釣友の川虫くんから電話があり。
 『大井川水系でアマゴを釣って食べたい』 とのこと。単純明快で純粋な動機である。
 『んじゃあ、一緒に釣りに行こうか!』 どうせ私も明日は単独釣行で暇を潰そうかと思っていたので、話はすぐにまとまった。
 
 早朝AM3:00に集合し、二日酔い気味の私に気を使ってくれた川虫くんの運転に甘えて、アマゴの渓に向かった。
寝不足と二日酔いでゲロを吐きそうなのを堪えつつ、暗い山道を車は進んでいった。 到着寸前まで入渓点の選択に迷っていたが、とりあえず下流から様子を窺っていくと、車止めには誰もいない。これ幸いにと車を停めて外が明るくなるまで横になっていると、背後から車のライトが近付いて来て私達を確認して去って行った。 恐らく釣人なのだろう。 「ウッシッシ、一歩遅かったのう〜」
この場所に車を停めることが出来れば、丸一日渓を独り占めできるのである。
 辺りが明るくなり、バカなが(胴長靴)をザックに入れて背負い、トレッキングシューズを履いて山道を川床へと降りていく。標高差600m程を降り川床に到着。
 一息ついて、川虫くんが川虫を採取している(?)このスキに私が二週間前のミミズと仕掛けで早くも1匹目を釣り上げ高笑い!
 

川虫を捕る川虫くん

美味そうな23cmアマゴ
 
 その後の釣果はシブく、私にはたまにチビアマゴが釣れるものの川虫くんはまだ本日ボーズのまま。慣れぬ渓での川虫捕り、枝が被ったポイント、ガラスの様な(波立っていない)水面などに苦戦しているようであった。
 釣師ならば、その日どんなに小物であっても、まずは1匹目を釣らないと落ち着かないだろう。この日の川虫くんも例外ではなかった。
 早朝から竿を振り続けてAM11:30頃、ようやくチビアマゴを釣り上げ、ホッとしたようだ。それでも帰路のキツい登りを考えると、もう少し大きな型を釣っておきたいところだ。

 淵を越えて先へと足を伸ばしていくと、ほどよい落込みに泡の湧く柔らかな流れの淵。ここで川虫くんは気が抜けたように棒立ち気味で竿を伸ばしていたが、その時!
鋭くはないものの目印が引き込まれ、一目で大物が掛かったと思われる重量感のあるアタリ!そして竿のしなり!
川虫くんは一瞬、面食らったようであったが素早くこれに対応。
下流に移動しつつも獲物を水面にまで引き上げた。
 「デカい!デカいぞ! バラすぞ!大丈夫か!」
私は周りをウロチョロしながら囃し立てた。
 
しかし獲物が水面上に頭を見せると、もう余裕の川虫くん。
 「針を飲み込ませたから大丈夫!」
 「写真でも撮るぅ〜♪」

だが近付いてよく見ると、針は口角にわずかに掛かっているのみ。
 「飲んでないじゃん!」
川虫くんは慌ててタモに取り込んみ、まじまじと覗き込んでニヤけた。やっぱりデカい。
 


獲物は雌の顔をしているものの
体には無数の細かい傷があり
尾鰭は昨秋の産卵によって擦れている。
体にはまだサビが残り美しいとは言い難いが、
越冬し野性味あふれる、まさに源流アマゴであった・・・
こんな生態が窺い知れるような魚体が私は好きである。
 
3月にしては上出来の27cmアマゴであった。
 「これが雄で鼻先が尖っていて尾鰭が擦れていなかったら、尺モンだなぁ〜」
と冗談を言いながら、タモに収まったコイツを前にして2人で写真を撮りまくった。
 もちろんこの釣果が帰路のツライ登りの励みになった事は言うまでもない。
 
 車で帰る途中、島田市民病院前の中華料理店 『一元』 に寄って
生味噌スープと極細麺が特長の“味噌チャーシュー麺”を美味しく頂いた。

余談ではあるが・・・
 翌朝、私は強烈な腹痛で眼を覚ました。
腹痛はおさまる気配がないので時間外で病院に駆け込むと、なんと“尿管結石”との診断。 「これで当分は禁漁か?」 と諦めていたが、その日のうちに小便から石が出てきてケロッと痛みは無くなってしまった。 よかった、よかった!
 
川虫くん!今度はヒルが出るシーズンに行って爆釣しよう!
 
川虫くんの同釣行記
 

 
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