脱バカなが宣言?  2001年8月26日   曇りのち雨 吉田 ・ 私

 

  
台風11号が過ぎ去ったが、南アルプス南部では久しぶりにかなりの降水量があり、まだ川の水量は多いようだ。 前日の土曜の夜、吉田と私は荒れた林道を通ってS沢の車止めに到着し、一杯やって車中泊。 大イビキの吉田と一緒に車中泊だけに、私は通常よりもハイピッチでビール・焼酎と飲みつつも吉田を牽制し、話し掛けながら就寝準備をするが、なぜか大イビキの奴に限って眠りつくのが早いものだ。
 グガガガガーーーーーッ
案の定、吉田は不規則なリズムで大イビキをかき始めた...。
 
 朝4:00、眠い眼を擦りながらも起床。
山道を歩き、恐い針金吊り橋を渡って、だだっ広い川床に出る。やはり、川はコーヒー牛乳のようなドブ濁りで水流も速い。 今回は二人とも水の抵抗を考えてバカなが(胴長靴)は履いていない。吉田はネオプレーンタイツに鮎シューズ、私はジャージにスパッツに渓流シューズである。
それでも釣場までの平川の徒渉の連続は、深さが分からず足場も見えず苦労した。
 おおよそ中流域まで来たが流れは濁ったままだ。
先を見ると右岸の穏やかな支流は丁度良い笹濁りだ。
 「濁りを嫌って、こんな支流に魚が差しているんじゃないか?」と、この支流で竿を振り始めたが、意外にも魚影は薄く、型も小さく期待外れだった。 本流に戻り再び遡行して行き、ガレ場を通過してしばらくすると、濁りがとれ始め落差もでてきたので再度竿を振りだした。
  
 出水の影響だろうか、エゾ岩魚・アマゴ・ニッコウ岩魚・ヤマト岩魚とごちゃ混ぜに釣れた。そして前を行く吉田が手招きをして呼んでいるので近づいて行くと、出水後に残った水溜りに4匹の岩魚がいて、そのすぐ近くには尺岩魚の死骸があった。
このままでは水が退いて、この4匹の岩魚達が死んでしまうのも時間の問題だ。
吉田はタモを広げてこれらの岩魚を追い始めた。
さぁ、どうするかな? 
と、私はニヤニヤしながら見ていると吉田は「(ビクには)入れねーよ!」 と言って岩魚を本流の流れに放した。 よしよし。
しかし、その直後に吉田はいつもはリリースするサイズの獲物をビクに入れているではないか。
 私 「なんだ、キープするのか? 小さくないか?」
吉田 「おぉ、ちっと バーベQ があってな...」
 私 「聞いてないゾ、 ん!まさか合コン・バーベQ だな!」
吉田 「ま、まぁな」
 私 「な・な・なにーっ! しょうがない、まぁ今回だけは見逃してやろう」 
...と他愛無いものだ。
 
さらに竿を振って行くと、
ガアァーーーーーッ!
突然、獣の鳴き声のようなカン高い声が渓に響き渡った! 私は驚いて山側を見回した。叫び声の主は吉田だった。吉田は獲物をバラしたようでヨタヨタと急流の中から岸辺に戻って来た。 聞くと、
 「顎がシャクれた尺アマゴ...バラした...シャクにさわるぅ〜」と、訳のわからぬ事を言っている。
過去の事例からいって、吉田の釣ってもいない『尺だ!』はかなりアテにならないのであるが、その悔しがり方からすると大物をバラしたのは確かなのだろう。

下流はこの濁流だ
 
 聞くと、どうやらヒット後に下流に廻り込んで取り込もうとしたが急流の為か、その尺アマゴはタモから外れなんと吉田の股下をトンネル! 糸は股間を支点にして切れてしまったとの事。想像しただけでも、なんとも情けないバラし方である。
岸辺でガックリとへたり込んでいる吉田に「朝から豚カツ弁当を食ってたのになぁ」
 「釣りはバラしがあった方が断然面白いんだ」 
と、励ましたのだがむろん慰めにはならなかった。
 「このことは、シンヤにはトップシークレットだぞ!」
と、吉田は私に隠ぺい工作を持ちかけるが、そうはいかない。
普段、シンヤの釣技を散々ヒドク言っている吉田である。
これを機会に鼻をヘシ折らなければ! ふっふっふ♪ 帰って皆にバラそう。
そうそう、釣果は26cm岩魚が最大で、以下21〜23cmを5匹程とアプローチで苦労したわりには振るわなかったが、吉田が泣き尺イワナと尺アマゴを見事にバラしたおかげで痛快に楽しめた。
 

 
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