爆ちゅ〜問題?

2000年 春   シンヤ 浅川 私


 この日、私達はかつてない程にツイていなかった。入渓する事ができないのだ。正確には、予定していた幾つかの候補の沢全てに入渓者らしき車があったのだ。薄明るく夜が明けるなか、私達は絶望の淵に立たされていた。
 「やっぱ、サンデーアングラーじゃあ、ダメかぁ。」「金曜日の夜から動かなきゃ。」 と皆ボヤく。 来た道を戻りながら、無い頭をひねりつつ思いついたのがY沢だった。Y沢は、渓流釣りをやり始めたばかりの頃、よく通った小渓である。数年ぶりのY沢だ。どうなっているか? 魚はいるか? 先行者はいないか? 楽しみでもある。
 そして早朝からの長い運転の末にY沢に到着。すでに陽は高く昇っていたが、幸い先行者はいない様だ。後部座席でフテ寝をしているシンヤを起こして車を出発した。すぐに、ひとまたぎ出来る程の沢に降り立った。「こんな、ちっちゃかったかなぁ〜」と皆の感想。それでもポツポツと6〜8cm位のきれいなアマゴが姿を見せてくれた。3.5mの竿で十分なのだが、用意がなく 6.2m竿を縮めて振る。と横を見るとシンヤの竿が、キューンとしなっている。

あなたの手にもマウスが...

米国人トラヴィスがこの写真を
見て「HUNTING?」と尋ねた
私「ひっかけたか?」
シンヤ「いや、引いてる!」
「なかなか上がってこないぞ」
「もぐり込んだのかなぁ〜?」 
私「イカいのか?」(イカい=大きい)

岩が邪魔で糸の先がよく見えない。浅川が岩の裏を覗きこんで、ニヤけた...。 ...と、そのとき黒い物が宙に飛び出した!
チュチュ〜
なんと!ネズミが足と尻尾をバタつかしているぢゃないか!...

一瞬の静寂が訪れた。一呼吸おいて...





一同大爆笑の嵐!
笑いは山深い渓に、響き渡った。



 浅川によると、針にかかったネズミは岩にしがみ付いて踏ん張っていたらしい。それを想像しただけで今でも笑える。 今朝、入渓できず憂うつだった気持ちが、この大爆笑で一気に吹っ飛んだ。 ビクに入るほどの釣果はなかったが、綺麗で可愛らしいアマゴに会えた。そして笑えた。 今でもこの釣行は語り草となり、酒の肴となっているシンヤである。


 
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